診療科目
- 麻酔科(ペインクリニック)
- 内科
- 漢方治療
院長紹介
院長
山下 徳次郎
経歴
1981年久留米大学医学部卒業。
久留米大学麻酔科、久留米大学救急救命センターなどの勤務を経て、1988年より大分赤十字病院麻酔科勤務。
2001年より大分市にて山下クリニックを開業。
著作物一覧
筋筋膜トリガーポイントの真相(上・下)
漢方の臨床 1999年第12号(p79−89)・2000年第1号(p153−165)
疼痛疾患の診断における筋筋膜トリガーポイントの重要性
鍼灸OSAKA 2000年No.4(p75−84)
トリガーポイントが教えてくれる疼痛疾患診断の盲点
−混迷している疼痛疾患診断の現状について考える− 医道の日本 2004年8月号(p55−66)
筋筋膜性疼痛症候群に対するトリガーポイント鍼療法の臨床報告(上・下)
医道の日本 2009年10月号(p75−81)・11月号(p92−95)
院長挨拶
私たちは誰でも、日常普通に腰や関節、手足などの痛みを経験します。いつの間にか治ってしまうことも多いですが、時として痛みが慢性化し、病院にかかってもなかなか治らないという経験をした人は多いはずです。実はそれには、明確な理由があったのです。すなわち、痛みがどのような原因で起こるのかについての考え方が間違っていたのです。そしてその間違った考え方にもとづいた治療が行われていたために治療成績が悪かったのです。この十数年の間に腰痛や関節痛の原因に関する考え方が大きく変わってきことにより、そのことが徐々に明らかになりつつあります。
腰痛や下肢(坐骨神経痛と云われていたもの)は、従来より腰椎の変形や椎間板ヘルニアにより神経が圧迫されて起こるとされていましたが、最近、神経線維の部分は圧迫によっては痛み(いわゆる神経痛)を生じないことが判ってきました。MRIの普及により、神経が圧迫されていても痛みのない人が多く観察されています。アメリカのマイアミ大学整形外科では、手術成績が悪かったため椎間板ヘルニアの手術を一切やめ理学療法に切り替えたところ、腰痛の治癒率が上がったという有名な話もあります。
膝関節や股関節の痛みは、軟骨がすり減った結果、骨と骨が当たって刺激されて痛むと考えられてきました、しかし、軟骨の下の骨組織には痛みを感じる神経が分布していないことが判っています。関節軟骨がなくなっている人でも痛みのない人は多くいますし、逆に軟骨が正常の人でも関節痛を訴える人は多くいます。変形性関節症が痛みの原因ではないのは明白です。
では、腰痛や関節痛はどのような原因で起こるのか?
私は十数年前に筋筋膜性疼痛症候群という疾患の存在を知り、その治療法であるトリガーポイント治療を行ってきた結果、人が日常遭遇する痛みの中で、急性の炎症で起こる痛みを除くほとんどの痛みが、この筋筋膜性疼痛症候群の痛みであるという確信を得ました。
従来行われていた、鎮痛剤投与、牽引や電気治療などのリハビリ治療、硬膜外ブロックや神経根ブロックなどの神経ブロック療法、そして手術療法、これらの治療で改善しない痛みであっても、それが筋筋膜性疼痛症候群の痛みである可能性は非常に高く、その診断が確定すればトリガーポイント治療により十分改善が望めます。
筋筋膜性疼痛症候群という疾患を知ることにより、それまで疑問だらけだった疼痛疾患の診断・治療に光がさしてきます。発赤、腫脹、熱感といった炎症所見のない「腱鞘炎」や「関節炎」、内臓に全く異常を認めない「原因不明の胸痛・腹痛」、どこに痛みの原因があるか医者も困ってしまう「肩関節周囲炎(五十肩)」や「非定型顔面痛」、等々挙げればきりがないほどの疑問が一気に解決します。痛み以外の症状の関しても、原因不明の「ふらつき」、「耳鳴り」をはじめとする多くの不定愁訴が筋筋膜性疼痛症候群により引き起こされることが判っています。
治療がうまくいかない場合は、そこに明確な理由が存在している場合が少なくありません。
あなたは、現在治療中の病気について、あるいはその治療について十分な説明を受けていますか?その説明に十分納得できていますか?今一度確認してみましょう。
山下クリニック 院長
山下徳次郎